【この記事の要点】
- 「薬局」と名乗れるのは、薬剤師がいて調剤の許可を受けたお店だとされています。
- 「薬店」は店舗販売業のことで、登録販売者だけでも開くことができます。
- 国際中医専門員は国家資格ではなく、中医学の知識を認定する民間の資格です。
- 資格は入口の目安です。相談時間や得意分野は、資格だけでは分かりません。
- 監修:石田 友里先生(漢方薬局 くら石・静岡県掛川市)/竹部 晃之先生(いわい薬局・埼玉県さいたま市)
「この人に相談して大丈夫かな」と思ったことはありませんか
漢方のお店を探していると、「薬局」「薬店」「漢方相談店」と、看板に付く言葉がまちまちです。
ホームページを見れば、薬剤師・登録販売者・国際中医専門員と、資格の名前も並んでいます。
けれども、それぞれが何をできる人なのかは、あまり説明されていません。
全国の漢方相談店をご紹介している立場から、この記事では名前と資格の違いを整理します。
※制度の細かい部分は変わることがあります。最新の扱いは各店にご確認ください。
まず「薬局」と「薬店」は、名乗れる条件が違います
結論からいうと、お店の名前は自由に付けられるわけではありません。
「薬局」を名乗るには、薬剤師がいて、調剤ができる場所としての許可が必要だとされています。
一方の「薬店」は店舗販売業と呼ばれ、登録販売者だけでも開くことができます。
つまり看板の名前を見た時点で、分かることがあるということです。
「漢方相談店」は、法律上の呼び名ではありません
「漢方相談店」「漢方専門店」といった呼び方は、お店が自分で名乗っているものです。
悪い意味ではなく、相談に力を入れているという姿勢の表明だと考えるとよいでしょう。
ただし呼び名そのものに基準はないので、中身は個別に確かめる必要があります。
漢方相談に関わる3つの資格
薬剤師(国家資格)
6年制の大学を出て国家試験に合格した人が持つ資格です。
医薬品を幅広く扱うことができ、生薬を煎じ薬に組む調剤も薬剤師の仕事とされています。
登録販売者(国家資格)
都道府県の試験に合格した人が持つ資格で、市販薬を販売するための資格です。
扱えるのは第2類・第3類の市販薬までで、第1類は薬剤師が担当すると決められています。
市販の漢方薬の多くは第2類にあたるため、登録販売者が相談に応じている場面も多くあります。
国際中医専門員(民間の認定資格)
中医学(ちゅういがく=中国で体系化された東洋医学のこと)の知識を認定する資格です。
国家資格ではないため、この資格だけで薬を販売できるわけではありません。
薬剤師や登録販売者が、東洋医学の知識を深めるために追加で取ることが多い資格です。
なお、この記事を監修した2名は、いずれも国際中医専門員の資格を持つ薬剤師です。
もうひとつ、「漢方薬・生薬認定薬剤師」という資格もあります
薬剤師が漢方や生薬を学び直したことを示す認定として、この名前を見かけることがあります。
こちらも国家資格ではなく、薬剤師であることが前提の上乗せの認定にあたります。
名前の似た認定はいくつもあるため、無理に覚える必要はありません。
大切なのは「国家資格なのか、学んだ証なのか」を分けて見ることです。
3つの資格を、表で比べてみます
| 資格 | 種類 | できること |
|---|---|---|
| 薬剤師 | 国家資格 | 医薬品を幅広く扱う。生薬を組む調剤もできる |
| 登録販売者 | 国家資格 | 第2類・第3類の市販薬を販売できる |
| 国際中医専門員 | 民間の認定 | 中医学の知識の裏づけ。販売の権限ではない |
表を一言でまとめると、前の2つは「何を扱えるか」、3つ目は「何を学んだか」を示す資格ということです。
どれが上ということではなく、役割が違います。組み合わせて持っている方も多くいます。
煎じ薬をお願いしたい場合は、薬剤師がいるお店かどうかが目安のひとつになります。
粉薬と煎じ薬の違いは、こちらの記事にまとめています。

資格では分からない、3つのこと
ここが大切な点です。資格は入口の目安にすぎません。
その1:相談にかける時間
初回に1時間ほどかけるお店もあれば、短時間で選んでいくお店もあります。
どちらが良いということではなく、自分がどう相談したいかとの相性の問題です。
その2:得意分野
同じ資格を持っていても、多く受けている相談の内容はお店ごとに違います。
不妊や婦人科の相談が多い店、皮膚の相談が多い店、呼吸器の相談が多い店と、傾向があります。
得意分野からお店を選ぶ考え方は、こちらの記事でくわしく書いています。

その3:続けやすさへの配慮
予算を先に聞いてくれるか、飲み方を生活に合わせてくれるか。ここは資格と関係ありません。
長く付き合ううえでは、この部分がいちばん効いてきます。
たとえば1日3回の指示でも、昼に飲めない生活の方はたくさんいます。
そこで形を組み直せるかどうかは、資格の一覧を見ても分かりません。
初回に予算や生活のことを聞いてもらえたなら、それはよい相性の目印だと考えてよいでしょう。
お店を決める前のセルフチェック
ホームページや電話で、次の点は事前に確かめられます。
- お店の名前が「薬局」か「薬店」か、確かめた
- 担当する人の資格が、ホームページに書かれているか見た
- 煎じ薬を扱っているかどうかを確認した
- 初回の相談にどのくらい時間をとるか聞いた
- どんな相談が多いお店なのかを聞いた
- 費用の目安を先に聞いた
- 病院に通っていることを伝えても大丈夫か確かめた
半分も確認できていれば、お店選びとしては十分ていねいだといえます。
この記事の監修
国際中医専門員の資格を持つ2名の薬剤師に監修いただきました。
記事監修者 漢方薬局 くら石 薬局長 石田 友里(いしだ ゆり)

実績:国際中医専門員A級 / 調布漢方特区プロジェクト 薬膳講師 / 伝統漢方研究会 学術論文発表(2021年・2024年)
合気道歴25年で培った「心を整える(マインドフルネス)」視点を活かし、不妊症や更年期障害、不安神経症など、心身のバランスに関わる繊細な悩みを得意とする。
・「体だけでなく、その人の人生そのものを応援したい。」
・「カウンセリングのように、話すだけで元気になってほしい。」
という想いで、生活背景までじっくり聞き取る相談スタイルを確立。
時には人生相談のようになる深い対話を通じて、患者さんが笑顔で自分らしい人生を歩めるよう温かくサポートしています。
記事監修者 (有)いわい薬局 代表薬剤師 竹部 晃之(たけべ てるゆき)

実績:国際中医専門員 / 全国実力薬局100選 7年連続選出
2005年に薬剤師となり、東京の漢方薬局で約10年間の臨床経験を積む中で、心と体の繋がりの深さを痛感。
・「もしも、不調に悩むお客様が自分の家族だったら。」
・「ただ薬を渡すだけでなく、心の奥にある不安まで受け止めたい。」
という信念のもと、創業45年を超える『いわい薬局』を継承。
現在は「メンタル・皮膚トラブル・子宝」などの相談を中心に、初回は1時間以上かけてじっくり話を聴く「カウンセリング重視」の漢方相談を行っています。
よくある質問
「薬局」と「薬店」では、どちらを選べばよいですか?
目的によります。生薬を組んだ煎じ薬をお願いしたい場合は、薬剤師がいる薬局が目安になります。市販の漢方薬を相談しながら選びたい場合は、薬店でも相談に応じているところが多くあります。
国際中医専門員は国家資格ですか?
国家資格ではなく、中医学の知識を認定する民間の資格です。薬剤師や登録販売者が、東洋医学を学んだ裏づけとして取ることが多い資格だとされています。
資格がたくさんある人ほど、良い相談ができますか?
そうとは限りません。資格は学んだ範囲を示すもので、相談の進め方や相性とは別のものです。実際に話してみたときの聞き方や、こちらの生活に合わせてくれるかどうかも見てみてください。
担当してくれる人の資格は、聞いても失礼になりませんか?
失礼にはあたりません。多くのお店がホームページに記載していますし、電話で聞いても答えてもらえます。相談の内容によって担当が変わるお店もありますので、あわせて確認しておくとよいでしょう。
ドラッグストアでも漢方の相談はできますか?
できる場合があります。ただし取り扱っている種類や、相談にかけられる時間が異なることが多いとされています。違いを整理した記事もありますので、あわせてご覧ください。
ドラッグストアと専門薬局の違いは、こちらでくわしく比べています。

まとめ:名前と資格は、入口の目安
「薬局」は薬剤師がいて調剤の許可を受けたお店、「薬店」は登録販売者でも開けるお店です。
国際中医専門員は、販売の権限ではなく、東洋医学を学んだ裏づけを示す民間の資格です。
ここまで分かれば、看板とホームページを見ただけでお店の輪郭がつかめるようになります。
あとは相談時間・得意分野・続けやすさへの配慮を、実際に聞いて確かめてみてください。
相談先を探すときは
漢方百名店では、全国の漢方相談店を、資格・得意分野・費用の目安とあわせてご紹介しています。



