「学校に行きたいか、行きたくないか」小中学生のストレスによる不調と、漢方が向く場合・難しい場合の違い|漢方薬局ハーブス

和風のデザインの記事サムネイル。「漢方百景 ~先生からの月一便り~」のロゴ。メインコピーとして「学校に行けないお子様を持つ親御さんへ」というターゲットに向け、「『学校に行きたいか、行きたくないか』小中学生のストレスによる不調と、漢方が向く場合・難しい場合の違い|漢方薬局ハーブス」というタイトルが大きなフォントで書かれている。右側には笑顔で白衣を着た谷裕一郎先生(漢方薬局ハーブス・広島)の顔写真が配置されている。背景は和紙風で、伝統的な和風模様(雲、波)と、牡丹の花、クコの実のイラストで装飾されている。
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【連載】漢方百景 ~先生からの月一便り~ 谷先生より

「漢方百景」をご覧いただき、ありがとうございます。

広島県広島市にある「漢方薬局ハーブス」の谷裕一郎です。

前回の滋賀県大津市の「漢方専門店 連珠庵(れんじゅあん)」の櫻田幸子先生からバトンを受け取りました。

櫻田先生は関西地区の漢方の勉強会に所属されている先生ですが、他の地区の勉強会にも積極的に参加されている、非常に勉強熱心な先生です。

今回は、私の薬局で最近特に増えてきている「小学生・中学生の精神的ストレス疾患」の漢方相談についてお話したいと思います。

■ コロナ禍以降、ストレス相談が「全体の5割」に急増

まず最初にお話したいのは、ストレスに関連する疾患のご相談が、新型コロナが流行って以降、ずいぶん増えたということです。

新型コロナ前は、私の薬局でストレスやメンタル的なご相談は全体の2~3割くらいでしたが、新型コロナ以降は5割くらいまで上昇しています

この原因は、「日常の中での何気ない会話」が減ったことだと私は考えています。

新型コロナ前は、休憩時間や仕事・学校終わり等に普通に会話して愚痴ったり、友達やママ同士でランチに行ったり、飲み会があったりと、ちょっとしたコミュニケーションの場が多くありました。

ところが新型コロナ以降、現在でも警戒心からそういった機会が減り、全体としてのコミュニケーション量が減っていると感じます。

この「何となくしゃべっていたこと」が案外とても重要で、ここで多くの方が日々のストレスを発散していたのだと思います。

この積み重ねが、ストレスが原因のメンタル疾患・症状の増加につながっているのでしょう。

■ 小中学生に増える「原因不明の体調不良」

それは大人だけでなく、お子さんにも言えることです。

もともと思春期の方(中学生~高校生)のご相談は多かったのですが、それに加え、児童期(小学生)の方のご相談が増えてきているのです。

学校に行けない、学校に行く前に頭痛がする、吐き気がする、めまい(立ち眩み)がする、動悸がする、胃が痛くなる、ご飯が食べられない、お腹が痛くなるなど、症状は様々です。

そして、それを引き起こす原因も、友達や先生との人間関係、集団行動へのストレス、中学受験など、本当に人それぞれです。

このような症状で、藁にも縋る思いで来られるご家族の方も少なくありません。

しかし、一見同じように見える症状でも、「漢方相談が向く場合」と「漢方相談が難しい場合」があるように思います。

■ 漢方が「向く場合」と「難しい場合」の決定的な違い

その違いは何か?と言われると、「ご本人様が学校に行きたいか?それとも行きたくないか?」です。

ご本人様が「学校に行きたいのに、体調が悪くて行けない」場合は、多少時間がかかっても、最終的には頭痛でも吐き気でも、漢方で体を整えていくことで、楽になっていかれる方が多いです。

しかし、ご本人が「学校に行きたくない」場合は難しいです。

仮に漢方薬で症状が軽くなったとしても、しばらくすると痛みの部位が変わって再発したり、頭痛から腹痛に変わったり、めまいや吐き気に変わったりと変化してゆくことが多いのです。

そして、いたちごっこを繰り返すことになります

■ 「行きたくない」から、無意識に症状を作り出してしまう

それはどうしてか?というと、ご本人はあくまで無意識ですが、「学校に行きたくないからその症状を出している」わけです。

学校に行かなくて済む理由が必要で、無意識で症状を出している。

それが、漢方薬を服用することで症状が軽減したり消えたりしてしまうと、「学校に行けない理由」が無くなってしまいます

そうすると、また行けない理由が必要になるために、無意識に次々と症状を変えることになるのです。

中には、漢方薬を服用すると症状が改善するのが分かっているのに、様々な理由をつけて漢方薬を飲まなくなる患者さんもおられます。

漢方薬には、ストレスに伴う諸症状を改善するような力はあると思います。しかし、「学校へ行きたくない気持ちを、行きたい気持ちにさせる」ような働きは無いのです。

ただ、これは決して「仮病」とは異なります。本人は本当に辛いのです

■ 丁寧な漢方相談で、一緒に探る解決の糸口

お子さんのそういう無意識の気持ちに気づかれていない親御さんや、気づいているのに気づかないふりをしている親御さんもおられます。

私の薬局では、特に小学生・中学生の精神的ストレス疾患の漢方相談の場合には、この辺りのお話も含めてご相談させていただくことが多いです。

漢方相談は、患者さんの疾患症状を改善させるために最適な漢方薬をお選びし、その働きを手助けする養生法の指導を行うものであり、心理領域のカウンセリングとは異なります

そのため、本格的なカウンセリングを期待しての漢方相談には限界はありますが、丁寧な相談を心がけています。

もしお子さんの体調不良でお悩みでしたら、まずは一度、じっくりお話をお聞かせください。

【次のバトンはこちら!】 次回は、神奈川県横浜市の「回徳堂薬局」、山下 説子先生にバトンをお渡しします!


運営からの一言

毎朝、お腹が痛い、頭が痛いと苦しむ子どもを見るのは、親として本当に辛いですよね。

「どうにかしてこの症状を治して、学校に行かせてあげたい」と思うのは当然の親心です。

しかし、谷先生が指摘するように、症状の裏に「無意識の行きたくない理由」が隠れている場合、単に症状を抑え込むだけでは解決しないことがあります

漢方は魔法の薬ではありませんが、体の状態を整えながら、本人やご家族が「本当の気持ち」に気づくきっかけになるかもしれません。

お子さんの原因不明の体調不良でお悩みの方は、一人で抱え込まず、広島市の「漢方薬局ハーブス」谷先生に丁寧にお話を聞いてもらってみませんか?

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