【連載】漢方百景 ~先生からの月一便り~ 櫻田先生より
はじめまして。 「漢方百景」をご覧いただき、ありがとうございます。
滋賀県大津市の「漢方専門店 連珠庵(れんじゅあん)」の櫻田幸子です。
前回、三重県の「松阪漢方堂」小西和彦先生からバトンを受け取りました。 小西先生の「休む事も漢方の一部、十分頑張っていますよ」という言葉からは、先生の優しさと深い愛情が伝わってきましたね。安心して相談できる先生です。
さて今回は、私自身の壮絶な体験もふまえ、「生理痛」についてお話ししたいと思います。
テーマは、「生理痛を放っておかないで!」です。
■ 「鎮痛剤で凌ぐのが当たり前?」日本における生理痛の現状
私の漢方相談室には、お母様とお嬢様のお二人で来られるパターンが多く、お悩みは頭痛、ニキビ、腹痛、疲れやすいなど様々です。
女性のご相談者様には必ず月経関連の質問をしますが、ほとんどの方に生理痛があります。 しかし、驚くことに「生理痛をなんとかしたい」というご相談は、ほぼありません。
なぜなら、鎮痛剤を飲んで過ごすため、当の本人はほぼ重要視していないからです。鎮痛剤で凌ぐのが、当たり前になってしまっているのですね。
ある方は「生理痛は辛かったが、ピルを飲み生理を止めているので大丈夫」と言われました。お母様も、娘さんに生理痛があっても「自分も耐えてきたから仕方ない」と諦めている方がほとんどです。
■ なぜ中国女性には、ほとんど生理痛がないのか?
中国人の漢方の先生によると、中国の女性には、ほとんど生理痛はないそうです。これは、日本との大きな違いです。
それは、小さい頃から体を温め、胃腸を大切にする教育が徹底しているからだそうです。特に娘さんが生理になると、血の巡りが良くなる特別な料理を食べさせ、ケンカをすることを許さず、ストレスのないように気を遣うのだそうです。
日本では、生理中も普段と変わらない生活を送り、体を冷やしてしまうことも少なくありません。この生活習慣の違いが、生理痛の有無に大きく関わっているのです。
■ 東洋医学から見た生理痛:主因は「瘀血(おけつ)」
生理痛の原因は、東洋医学ではほとんどの場合「瘀血(おけつ)」との関連があります。
瘀血とは、血(けつ)の巡りが滞ってしまう状態のことです。瘀血体質の人には、以下のような特徴が見られます。
あなたは大丈夫?「瘀血体質」チェックリスト
- [ ] 手足が冷えるのに、顔がのぼせる(冷えのぼせ)
- [ ] 生理前にお腹がぽっこり膨らむ
- [ ] 生理が始まりそうと思っても、なかなか始まらない
- [ ] 生理が始まると同時に、激しい痛みが襲う
- [ ] 経血の色がくすんで赤黒く、粘りがある
- [ ] 経血にレバー状の塊が混ざることがある
- [ ] 舌が紫がかっていたり、黒い斑点があったりする
- [ ] 舌の裏側の静脈が、ぷっくりと膨らんでいる
- [ ] 顔にシミ、ソバカス、クマができやすい
- [ ] 傷跡がなかなか消えない
■ 「生理痛は治らない」と絶望した私が、魔法のように救われた運命の出会い
瘀血体質をそのままにして、鎮痛剤やピルでごまかし、その場しのぎをして何年も放っておくのは、とても危険です。子宮筋腫や子宮内膜症、内臓のポリープを発生させる原因になりかねません。
また、妊娠においても、卵子に問題がなくても着床しない、着床しても稽留流産してしまうケースが少なくないのです。
かく言う私自身、漢方薬に出会うまで、生理痛に苦しんできました。
大学2年の時でした。その頃、生理痛は子宮内膜症が原因かもしれないと言われ始めた時代でしたので、ずっと辛かった生理痛を治そうと、意を決して婦人科に行きましたが、なんと、受付で門前払いされてしまったのです!
「生理痛は治らない」と。
その時の絶望感を、今でも覚えています。
鎮痛剤を飲む時もありましたが抵抗感があり、生理のたびに、夏でもお腹にカイロを貼りました。激痛のために布団の上で転げ回り、「2日の辛抱だ」と自分に言い聞かせていました。水泳をしていましたが、試合の時でも一人更衣室でうずくまり、耐えていました。
そして数年後、運命の日が!
薬剤師の資格を取った弟が、漢方相談薬局に勤めることになり、私に勧めてくれたのが「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」でした。
飲み始めて驚いたのは、夕方には必ず顔がほてって赤くなっていたのに、それがなくなり、何より体が軽い感じがしました。今まで感じたことのない感覚でした。
生理周期は45日前後から30日前後になり、まるで魔法にかかったようでした。 生理痛はまだ少し残りましたが、それまでとは比べものにならないほど楽でした。飲み始めて1〜2ヶ月ごろのことだったと思います。
■ 生理痛の原因は、瘀血だけではありません
生理痛の原因体質は、瘀血以外にもあります。あなたのタイプをチェックしてみましょう。
「血虚(けっきょ)」タイプ
血(けつ)が不足しているタイプ。顔色が悪い、めまい、立ちくらみ、不眠を起こしやすい。
- 痛みの特徴: 生理の終わり頃に、腹部や腰に痛みや重だるさがある。
- 経血の特徴: 色は薄くサラッとして、量は少なめ。
「気滞(きたい)」タイプ
気の巡りが停滞しているタイプ。体の様々な場所に張りや痛みが出やすく、イライラや落ち込みなど、精神的に不安定になりやすい。
- 痛みの特徴: 生理前の一週間に不調のピークが集中する。瘀血を併発しやすく、瘀血の特徴も併せ持つことが多い。
■ 体質に合った養生を知り、漢方薬で早めの対処を。将来の健康のために。
どうか、生理痛を軽視しないでください。お近くの漢方相談に出向き、ご自身や娘さんの体質はどれなのか、適切な養生法は何かを教えてもらってください。そして、漢方に助けてもらいながら、生理痛を治していただきたいと思います。
鎮痛剤やピルでのその場しのぎではなく、根本から体質を整えることで、この先に起こるであろう問題を早めに解決し、回避していただきたいと願っています。
つたない私の文章を、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。 相談に来られた方のお悩みが、漢方を通して、少しでも楽になるお手伝いができれば幸いです。
【次のバトンはこちら!】 次回は、広島県の谷先生にバトンをお渡しします!
運営からの一言
先生自身の壮絶な生理痛体験と、婦人科での門前払い……。その絶望的な状況から「魔法のように」救われた漢方との出会いのストーリーに、胸が締め付けられ、そして希望が湧いてきました。
「生理痛は我慢するもの」「鎮痛剤で凌げばいい」と思っている方にこそ、ぜひ読んでいただきたいコラムです。櫻田先生が言うように、瘀血(血の滞り)を放置することは、将来の子宮疾患や不妊などのリスクを高めてしまいます。
ご自身のため、そして大切なお嬢様のために。滋賀の「漢方専門店 連珠庵」へ相談して、根本から体調を整える第一歩を踏み出しませんか?先生が優しく、情熱を持って、あなたの未来の笑顔をサポートしてくれますよ。


