【連載】漢方百景 ~先生からの月一便り~ 石田先生より
皆さん、こんにちは。静岡県の「漢方薬局くら石」の石田友里です。
前回、大阪の神皇漢方薬局・北浦先生から(超絶かわいいワンちゃんがいる薬局として!)バトンを受け取りました。
漢方百名店には、北浦先生の薬局のように世代を超えて地域に長く愛されているお店がたくさんあります。その中で「漢方薬局くら石」は、私が5年前に開設したまだ新しい薬局です。
実は私、もともと「自分で薬局を開く」など考えたこともなく、勤務薬剤師として病院や調剤薬局で働き続けるつもりでした。
しかし、現場で多くの方達と向き合ううちに、
「もっと一人ひとりの悩みに、じっくり寄り添いたい」
「不安や迷いまで受け止められる場所をつくりたい」
という思いが強くなっていきました。
当初は夢のようでしたが、多くの方に支えていただき、今があります。
だからこそ私は、ご縁あるお客様にも「本当に願っていること」を諦めずに叶えてほしい。そのお手伝いをしたいと心から思っています。
今回は、そんな私の薬局での印象的なエピソードをお話しします。
■「自律神経を整えたい」と来店された女性
30代前半の女性が、「眠りが浅いので、自律神経を整えたい」とご相談にいらっしゃいました。
とても真面目な方で、ご自身で自律神経についてもよく勉強されており、食事や生活習慣も丁寧に整えていらっしゃいました。
漢方を始めてしばらくすると、「睡眠はだいぶ改善しました」と嬉しいご報告が。けれど、どこか浮かない表情が気になりました。
時間をかけてゆっくりお話を伺うと、ぽつりと本音が出ました。
「実は…妊活で悩んでいるんです」
何度か移植を繰り返しているけれど、うまくいかない。でも、病院でははっきりした原因は告げられない。
自分なりに調べた結果、「自律神経の不調が原因かもしれない」と考え、そこから整えようとされていたのです。
■専門家だからこそ、方向を定め直せる
自律神経の乱れが妊娠に影響することは確かにあります。しかし、妊活にはホルモン、血流、子宮環境、ストレス、体力など、多くの要素が複雑に関わっています。だからこそ、原因を一つに限定することは、私たち専門家でも難しいのです。
私は彼女にお伝えしました。
「今の状況を、いったん私に任せてもらえませんか。漢方でできることは、まだたくさんありますよ」
今の状況から何がわかるのか。具体的に何ができるのか。どう整えていくのか。一つひとつ丁寧にご説明しました。
すると、彼女の目から涙がこぼれました。
「原因も分からなくて不安で…もう妊活をやめようかと思っていました。話を聞いて、安心しました。もう少し頑張ります」
その後、「自律神経中心の漢方」から「妊活に特化した内容」へ切り替え、体を整え直しました。
そして2ヶ月後の移植で、無事に着床。そのまま笑顔で、漢方相談を卒業していかれました。
それまでご本人が真面目に体調管理をされていたことも大きかったと思います。そこに、方向をきちんと定め直したことで、漢方がシャープに働いたケースだと感じています。
■真面目な人ほど、遠回りしてしまう
最近ご相談を受けていて思うことがあります。
漢方相談にいらっしゃる方は、皆さん本当に真面目です。よく調べ、よく考え、自分なりに答えを出そうとしています。
でも自分ひとりの判断には、どうしても限界があります。
本当は妊活で悩んでいるのに、「自律神経の問題かもしれない」と遠回りしてしまう。そんなふうに、真面目な人ほど本音を後回しにしてしまうことがあるのです。
だから私はお伝えしたいです。どうか、ひとりで抱え込まないでください。
本当に困っていることを、そのまま委ねてください。
安心して話せる場所でありたい。本音を引き出せる相談でありたい。それが、私の薬局の在り方です。
■「もう無理かもしれない」と思う時こそ
「もう無理かもしれない」
そう思っている方ほど、実は「整える余地」がまだまだ残っています。
漢方は魔法ではありません。けれど、体の可能性を引き出す力があります。
あなたがこれまで丁寧に積み重ねてきた努力を、正しい方向へつなげるお手伝いができます。
もし今、不安の中でひとり悩んでいるなら。どうか一度、漢方相談にいらしてください。
あなたの体には、まだできることがあります。そしてその力を、一緒に見つけていきましょう。心からお待ちしています。
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運営からの一言
「もう無理かもしれないと思う方ほど、整える余地が残っている」。
石田先生のこの言葉に、どれほどの方が救われるでしょうか。
真面目で頑張り屋さんな人ほど、自分ひとりで原因を探して抱え込んでしまいがちです。
もし今、見えない出口に不安を感じているなら、静岡の「漢方薬局くら石」へその荷物を預けてみませんか?先生がきっと、正しい方向へ導いてくれますよ。


