【連載】漢方百景 ~先生からの月一便り~ 北浦先生より
皆さん、こんにちは。 漢方百名店のサイトをご覧いただきありがとうございます。
前回、埼玉のいわい薬局・竹部先生からバトンを受け取りました、神皇(しんのう)漢方薬局の北浦久貴です。
当店は大阪府泉佐野市で開局し、おかげさまで46年目を迎えました。 地元・泉州エリアの方を中心に、遠方からのご来店やオンラインでのご相談も承っております。
実は、バトンをくれた「いわい薬局」さんとは開局年数が同じ(同期!)と知り、勝手ながら親近感を抱いております。 とはいえ漢方歴は竹部先生の方がはるかに長く、お会いするたびに「先輩、教えてください!」と質問している立場です(笑)。
今回は、そんな私から「情報にあふれた現代での、漢方の使い方」についてお話しさせてください。
■「調べれば調べるほど不安になる」あなたへ
現代は健康情報にあふれています。 SNS、ネット検索、書籍、そして最近ではAI。スマホ一つあれば、いくらでも情報は出てきますよね。
それでも、悩みが解決しないのはなぜでしょうか。
それは、情報がないからではなく、「自分に必要な情報」に出会えていないからかもしれません。
実際の相談の中でも、こんなお声をよくいただきます。
「たくさん調べたけれど、結局どれが自分に合っているのかわからない」
「情報は集まったけど、不安な気持ちを聞いてもらえる場所がなかった」
情報過多な時代だからこそ、「あなたの健康」を安心して相談できる場所(=情報の交通整理役)が必要だと私は感じています。
■【事例】子どもの湿疹で悩まれていたお母さまの話
ここで一つ、印象に残っているエピソードをご紹介します。
以前、小学生の女の子がお母さまと一緒に来店されました。 女の子の顔には赤い湿疹があり、唇まわりはジュクジュクとただれている状態。全身にも湿疹が広がっていました。
お話をうかがうと、お母さまは娘さんのために本当に必死でした。 病院を変え、塗り薬を変え、食事内容も厳しく管理するなど、たくさんの努力をされていたのです。
それでも改善せず、「これだけやっているのに、どうして治らないのだろう」とお母さまは疲れきっておられました。
そこで私は、これまでされてきたことを一つひとつ整理し、こう提案しました。
- これは続けた方がいいこと
- これは無理をしなくていいこと(やめてもいいこと)
新しいことを「足す」のではなく、情報の優先順位をつけて「引く」作業をしたのです。
「頑張ることも大切ですが、お母さまがストレスをためすぎるのは良くありませんよ」 そうお伝えした時、お母さまの肩の力がふっと抜けたのを覚えています。
■「専門家に相談する」ということの意味
その後、漢方薬を飲んで約3か月。 女の子の顔の湿疹はすっかりきれいになりました。
お母さまは「もっと早く相談すればよかった!」と、満面の笑顔で話してくださいました。
漢方の専門家は、単に「漢方薬の知識」が多いだけではありません。 日々の経験や、全国の仲間との情報共有、そして確かな基礎があるからこそ、数ある情報の中から「今のあなたに本当に必要なもの」だけを選び出すことができます。
これが、自己流の情報収集との大きな違いであり、私たちが提供できる一番の価値だと感じています。
■相談室では、病気の話だけじゃありません
私の漢方相談は予約制で、周囲から見えにくい「半個室」で行っています。 これは、デリケートなお悩みをしっかりお聞きするための環境づくりでもあります。
とはいえ、堅苦しい雰囲気ではありません。 相談内容は病気の話だけでなく、趣味の話やスポーツの話、時には映画の話で盛り上がることもあります。
お客さまは多くの悩みを抱えて来られます。 だからこそ、帰る時には少しでも楽しい気持ちになっていただけたらと思っているんです。
そのためには、まず私自身がその時間を楽しむこと。 お互いが好きな話をすれば、自然と心もほぐれていきますよね。
この「話しやすい雰囲気」も、漢方相談にとって薬と同じくらい大切な要素だと考えています。
【次のバトンはこちら!】 次回は、超絶かわいいワンちゃんを飼っていらっしゃる 【漢方薬局くら石】の石田友里先生にバトンタッチします! (ワンちゃんの写真も楽しみですね!)
運営からの一言
お子さんの皮膚トラブルで悩まれていたお母さまのエピソード、胸が熱くなりましたね。 「頑張りすぎなくていい」と言ってもらえるだけで、救われる心があります。
誰にも言えない悩みや、長引く不調を抱えている方は、北浦先生の「引き算の漢方相談」を頼ってみてください。


