はじめに:薬をあげるたびに、心が痛むママ・パパへ
「保育園に入ってから、毎月のように熱を出す」
「病院の抗生物質ばかり飲ませていて、体に負担じゃないか心配…」
そんな悩みをお持ちの親御さんは、とても多いです。
子供の成長は嬉しいけれど、病気のたびに仕事を休んだり、嫌がる薬を無理やり飲ませたりするのは、親としても辛いですよね。
今回は、そんな親子の強い味方となる「キッズ漢方」について、2人のスペシャリストにお話を伺いました。
- 監修:北浦 久貴 先生(神農漢方薬局)
- 幼少期に重度のアトピーを漢方で克服した原体験を持つ、熱き薬剤師。
- 監修:石田 友里 先生(漢方薬局 くら石)
- 合気道の精神を活かし、親子の心身のバランスを整える女性薬局長。
1. 「まずい粉」が僕を救ってくれた(北浦先生の体験談)
なぜ、子供に漢方が良いのでしょうか?
まずは、ご自身が「漢方キッズ」だった北浦先生の実体験を聞いてみましょう。
北浦先生(神農漢方薬局)のエピソード
「『あの苦い粉』が、僕の人生を変えました」
実は私自身、幼少期は重度のアトピー性皮膚炎で、血だらけになるまで掻きむしる日々でした。
そんな時、出会ったのが漢方薬です。正直、子供心に「泥のような味だ」と思いました(笑)。でも、それを飲み続けるうちに、あれほど辛かった痒みが引き、肌がきれいになっていった感動は今でも忘れられません。
子供は「少陽(しょうよう)」といって、これから昇る太陽のような生命エネルギーの塊です。
大人のように毒素が溜まっていない分、少し背中を押してあげるだけで、劇的に変わります。
かつての私のように苦しんでいるお子さんに、「大丈夫、治るよ」と伝えてあげたいんです。
子供は大人よりも反応が良く、短期間で効果が出ることも多いのが特徴です。
2. こんな悩みに!子供によくある漢方相談
小児科に行くほどではないけれど、なんとなく気になる…。
そんな症状こそ、漢方の得意分野です。
| 悩み | 漢方のアプローチ |
| 繰り返す風邪・中耳炎 | 免疫力のバリア(衛気)が弱い子に。バリア機能を高めて、ウイルスを寄せ付けない体にします。 |
| 夜泣き・かんの虫 | キーキー叫ぶ、噛みつくのは「気」が高ぶっている証拠。リラックスさせる漢方で穏やかに。 |
| おねしょ(夜尿症) | 小学生になっても続く場合、成長エネルギー不足や冷えが原因かも。体を温めて成長を後押しします。 |
| アトピー・肌荒れ | ステロイドで抑えるだけでなく、体の中にこもった余分な「熱」を冷まし、痒みの元を断ちます。 |
3. 「飲まなきゃダメ」を手放そう(石田先生のアドバイス)
そうは言っても、最大の壁は「味」です。
飲ませようとして泣かれると、お母さんまで泣きたくなってしまいますよね。
「心のバランス」を大切にする石田先生に、コツを伺いました。
石田先生(漢方薬局 くら石)のアドバイス
「ママの『眉間のシワ』が、薬を一番苦くします」
お母さん、必死になりすぎていませんか?
子供は敏感なので、「絶対に飲ませなきゃ!」というお母さんの緊張(プレッシャー)を感じ取って、余計に拒否してしまうんです。
漢方は、逃げません。
まずはお母さんが深呼吸して(マインドフルネスですね)、リラックスしましょう。
「これ、元気が出る魔法の粉だって!」と、遊びの延長のようにあげるのが一番のコツです。どうしても飲めない日は、お休みしたっていいんですよ。
4. 【保存版】苦い漢方を「飲みやすく」する3つの工夫
ここからは、お二人が現場で実践している「子供がパクっと飲むテクニック」をご紹介します。
① はちみつと混ぜて「シロップ」にする
これが一番の王道です。 少量のぬるま湯で漢方を溶いた後、はちみつをたっぷり混ぜてシロップ状にします。はちみつの濃厚な甘みと、とろっとした喉越しが、生薬の独特な苦味や香りを包み込んでくれます。 (※1歳未満のお子様には使用しないでください)
② 凍らせて「シャーベット」にする
人間の舌は、冷たいものに対して鈍感になります。 漢方を溶かしたものを製氷皿に入れて凍らせ、一口サイズの氷やシャーベットにしてみましょう。特に熱がある時や、お風呂上がりにあげると喜んで食べてくれます。
③ 薄くして「お茶」として飲む
「苦いから一口で終わらせよう」として濃く溶かすと、かえって刺激が強すぎて吐き出してしまうことがあります。 そんな時は、コップ一杯のお湯で薄めに溶き、「特製ハーブティーだよ」と言って飲ませてみてください。意外とこちらのほうが飲みやすいというお子様も多いのです。

5. 西洋薬と漢方薬、どう使い分ける?
「全部漢方にしなきゃダメ?」ということはありません。
それぞれの得意分野を理解して、賢く使い分けるのがベストです。
| 特徴 | 病院の薬(西洋薬) | 漢方薬 |
| 得意なこと | 激しい症状をピンポイントで抑える (高熱、細菌感染、手術など) | 体質改善、原因不明の不調 (免疫力アップ、虚弱体質など) |
| アプローチ | 敵(菌)を攻撃する | 味方(自分の治癒力)を強くする |
| スピード | 即効性が高い | じっくり効くイメージだが、子供の風邪などは即効性あり |
「うちの子の体質、もっと詳しく知りたい」という方は、以下の体質チェックの記事も参考にしてください。

6. 【Q&A】ママからのよくある質問
何歳から飲めますか?
生まれたばかりの赤ちゃんから飲める漢方薬もあります。
月齢や体重に合わせて量を調整します。赤ちゃんの場合は、お母さんが漢方を飲んで、母乳を通して成分を届ける方法もあります。
病院の薬と一緒に飲んでも大丈夫?
基本的には大丈夫です。
ただし、成分が重なる場合もあるので、お薬手帳を持参して相談してください。
どうしても飲んでくれません。無理やり飲ませるべき?
無理強いは逆効果になることもあります。
あまりに嫌がる場合は、今のその子にとって「必要ない(合っていない)」可能性もあります。一度中断して、専門家に相談してください。
まとめ:漢方は「一生の健康」へのプレゼント
北浦先生は自身の経験から「治る喜び」を。
石田先生は対話を通じて「親子の笑顔」を。
漢方は単なる風邪薬ではありません。成長期のお子様に、「自分の力で病気を治す土台」をプレゼントしてあげることです。
「うちの子、薬飲めるかしら…」
そんな不安も、まずは相談してください。味見をしたり、その子に合った飲み方を一緒に探しましょう。




記事監修者 神農漢方薬局 代表薬剤師 北浦 久貴(きたうら ひさき)

実績:伝統漢方研究会 関西理事 / 2023年 学術論文発表(田七人参と牡丹皮の研究)
幼少期、自身が重度のアトピー性皮膚炎に悩み、漢方薬(不思議なまずい粉)によって劇的に改善した原体験を持つ。
・「あの時の感動と、治る喜びを多くの人へ届けたい。」
・「無理なく、できることから一緒にやってみよう。」
というスタンスで、自身の経験から「皮膚トラブル」や「メンタル不調」の相談を得意とする。
現在は研究会の理事として東へ西へ奔走し技術を磨きながら、患者さんの心の荷物を下ろすような、気楽で温かいカウンセリングを行っています。
記事監修者 漢方薬局 くら石 薬局長 石田 友里(いしだ ゆり)

実績:国際中医専門員A級 / 調布漢方特区プロジェクト 薬膳講師 / 伝統漢方研究会 学術論文発表(2021年・2024年)
合気道歴25年で培った「心を整える(マインドフルネス)」視点を活かし、不妊症や更年期障害、不安神経症など、心身のバランスに関わる繊細な悩みを得意とする。
・「体だけでなく、その人の人生そのものを応援したい。」
・「カウンセリングのように、話すだけで元気になってほしい。」
という想いで、生活背景までじっくり聞き取る相談スタイルを確立。
時には人生相談のようになる深い対話を通じて、患者さんが笑顔で自分らしい人生を歩めるよう温かくサポートしています。

